令和6年10月の八日講が勤まりました!
気候も秋らしくなり過ごしやすくなって参りました。今日は8名の方がお参りを頂きました。
本日の布教使は、鹿児島県の清立寺住職・藤代尚師でした。昨年に引き続き、今年もご自身のご門徒様との関りを通して感じられた事をご法話いただきました。
あるご門徒様のご婦人の話で、その方の口癖は「寝たきりになったら駄目だ」でした。そのご婦人のお知り合いが寝たきりになられて、大変なご苦労をされたそうです。
ある時、そのご婦人が腰の骨を強打し入院して手術を受けられました。命に別状はなかったのですが、リハビリの甲斐もなくその方は歩けなくなりました。車椅子生活になり、性格が別人になったかのように家族や周りの人に文句や妬みをよく言う人になられたそうです。周りの方が優しい言葉をかけても、耳をかさない。お寺にお参りを来ると、「これだけ寺参りをして、昔から徳を積んでいるのに何で私は歩けなくなるのか!この寺にはご利益がない!」と文句を言われたそうです。「寝たきりになったら駄目」という思い込みが更にそのご婦人を苦しめて、そのような性格にしたのかもしれません。
ただある時、ご婦人のお孫さんからこんな事を言われたそうです。「お祖母ちゃんのお陰で、今日困っておられたご老人を助けられた。お祖母ちゃんがいつも困っている姿を見ていたから、このご老人を助けないといけないと思った」と。
寝たきりの私がこの子の為になった。寝たきりの私が生きている価値があると思えた。ご婦人は、その後家族に対して色々と文句や妬みを言った事に対して、「申し訳なかった。私が勝手に寝たきりは駄目だと決め込んで、落ち込んで皆に悪い事をした。」と謝罪をされたそうです。
私たちは自分の価値観で色々な事を決め付けて生きています。その価値観が生み出すものは、人生段々と思い通りにならなくなってくると妬みや文句が出てその人の性格も変えてしまう。改めて恐ろしい事であると感じさせていただきました。