
7月度八日講が勤まりました!
今日は平日にも関わらず、19名の方がお参りをしていただきました。

本日の布教使は兵庫県西宮市の常福寺住職・日下貴行師でした。昨年も本廟の八日講でご法話を頂戴しました。
ご法話では、生きとし生ける命のことについてお話をいただきました。生き物には様々な作用があって、お互いさまに生きている。しかし私たち人間は、自分たちの都合によって命を取捨選択している。綺麗なものや可愛いものには惹かれるが、虫などの見た目が綺麗でないものには嫌悪感を覚える。本当に自分の都合。
地球上には約80億の人間が生きている。でも地球上に生きている生命全体の中で、人間の80億人は0.01%にすぎないそうです。人間なんて地球規模から見たら本当にちっぽけな存在なんだということが分かります。

生き物には様々な作用があって、お互いさまに生きている。本当にそうなんですけど、私たち人間は本当にそのことが見えない。自分中心の心があって、自分が可愛い、自分さえ良ければ良いという根性がありますから、お陰様がなかなか分からない。特に私の本当の足元、本当に私を支えて下さっているものが見えない。近いほど、見えない。
ご自身の話でこのような出来事をお話されました。先代のご住職のお父様が亡くなられ、ご自身が法務全般を取り仕切ってやっていかなければならない。本当に大変な日々だったそうです。精神的な疲労で、身体にも異変が出てきて病院にも通院をされたそうです。ギリギリの状態だったそうです。
そんな中、仏教の恩師と会う機会があったそうで、お父様が亡くなり今日まで自分が本当に大変だったことやそれによって体調を崩したこと、色々なことを赤裸々に、愚痴を言うように恩師に話をされたそうです。恩師は「うん、うん」と頷きながら話を聞かれ、最後にこう言われたそうです。
「ところで、お母さんは元気か??」と。
それを聞いた瞬間、ハッ!と気付いたそうです。自分ばかり辛い、しんどい思いをしていたと思っていたが、そうだ母親も辛くてしんどい思いをしていたんだと。いやもしかしたら、この自分よりも辛い思いをして、苦しい日々を送っていたのではないか・・・と。

でもそんな大変な中でも母親はいつも通りこの私を支えようとしてくれていた。足元を支えようとしてくれていたんだと。近いほどそのことが見えていなかったということをお話されました。
皆さんもどうでしょうか。本当に私の足元を支えて下さる存在、それは近いほど見えないんですけど、見ようとしているでしょうか。それはおそらく家族ではないかと思います。私も母親がいますが、なかなか煩くて煩わしい存在に思ってしまっています。でもその存在がこの私の足元を支えようとしてくれている。そのことを改めて深く感じさせていただいた時間でした。